ヤフオク本人確認前後の出品数の推移

 下のグラフは、ヤフオクが有料化されるであろう約3ヶ月前の3月21日から「自動車」というカテゴリにおける出品数を1日単位でまとめたものである。驚くべきことに、「有料化されるのでヤフオクからさようなら〜」という論調がYahoo掲示板の「オークション有料化に関して」というトピックの中で多かったにもかかわらず、出品数はのびていた。


 ところがさすがに本人確認がきいたのか、5月28日をすぎると約1万件/日という速度で出品数が減ってきた。この勢いだとあと2週間で出品数がゼロになるぞ、と思っていたらわずか4日で減少に歯止めがかかり、出品数が再び伸び始めた。また出品数が減ったといっても統計を取り始めた3月のレベルに戻っただけである。そう考えると、一旦減った理由は本人確認の手続き(ジャパンネットバンクへの口座開設、クレジットカードによる本人確認の手続き)に手間取られた結果生じたものであり、出品者数自体は特に減っていないのかもしれない。
 なお、アンケートで言う8割の人の内訳には、出品者と入札者が含まれている。そのため出品数の変化から出品者数の変化を推定できるとしても、入札者の数までは推定できないことに注意されたい(出品者の数は今までと変わらないが、有料化の影響で入札者の数は減っているのかもしれないということ)。

 一方、AZ−1関連の出品数は本人確認開始前後でも特に大きな変化は見られなかった。



 それにしても恐るべきはYahooの力である。「数こそ力、数こそ正義、数こそ全て」というインターネットの数の論理で有料化に反対する利用者の声を押し切った形になった。アメリカのYahooではオークションが有料化されたとき出品数が激減したと聞くが、日本ではそうなっていない。これは日本人特有の横並び意識、即ち数の多い方についた方が得という感情が作用したためなのかもしれない。