どうなるDE車

 私のレポートする一連の企画の中で、唯一ディーゼルエンジン車(以下DE車)について語るコーナーである。その前に、DE車の置かれている厳しい現状(特に東京都)について述べよう。東京都では「ディーゼル車NO作戦」の名の下に、国が定める排ガス規制値より厳しい規制をもうけることにした。前年のレポートでは「東京都の動きが朝令暮改状態にあるのでどうなるかよく分からない」という結論だったが、さすがに1年経過しただけのことはあって大分まとまってきた。
 その規制を簡単にまとめると以下のようになる。

1.平成15年10月より東京都独自の条例が施行される。

2.対象となるDE車は2.5t以上の商用車である。乗用車は適応から除外される。

3.都内を走行する上記DE車は、車の登録所在地がどこであろうとも、東京都の定める排ガス規制値をクリアしなければならない。

4.排ガス規制をクリアしていない上記DE車でも、登録から7年間は都内を走行しても良い。それ以降は排ガス東京都の定める排ガス規制に合致させるよう車を改造するか、規制適合車、ガソリン車へ買い換える必要がある。

 というわけでハイエース等の車をベースとしたキャンピングカーならば、乗用車に該当するのでDE車であっても都内を走行できる可能性が残されている。しかしトラックやバスをベースとしたDE車では商用車をベースとしたということで走行できなくなる。例えば今年2001年に登録した車(当然東京都の規制をクリアしていない)は2008年(平成20年)までしか都内を走行できないのだ。



規制に適合できないDE車をベースとしたキャンピングカーの例

 改造するという手段も残されているのだが、それで対応できる可能性は低い。どの部分を改造するかというと、排気管である。マフラーとエキマニの間に触媒とDPFをつけるのだ。DPFとはディーゼル・パティキュレート・フィルターのことで、要は排ガス中に含まれている黒いすすを取り除く装置である。
 現状の車では、これらを置くスペースが確保されていない。仮に置くスペースがあったとしても、改造費が100万円くらいかかってしまうため現実的ではない。東京都のHPに各社DPFの写真性能検証の実験結果が掲載されているので参考までに。なお東京都のHPには”エンゲルハード”という会社が掲載されているが、正しくはエンゲルハルドとドイツ語読みする。細かいことだけど(^_^;)。

 というわけで、東京都の条例に対してどのような対応を打つのか、各キャンピングメーカーのショップに質問してみた。この条例に関して最も敏感だと思われる群馬に本社をもつショップは「さあ、どうなるんですかねえ」と適当にはぐらかされたが、他のショップでは「思いっきり引っかかります」と開き直ってしまったところもあった。というわけで、特に都内を走行する可能性の高い人は、DE車のキャンピングカーを選ぶのは避けた方がいいと思う。
 また東京都を走ることは無いという人は、DE車ベースのキャンピングカーが中古として大量に(ということは安く)出回る可能性が高いので、新車にこだわらない人ならば、もう少し待って買った方が安く手に入れることができると思う。