ホンダS800

 普通ホンダS800といえばオープンカーだが、これは珍しいクーペタイプ。右のビートと連れできていたようだ。「エスハチとビート」という新旧の組み合わせである。2000GTに続いてスタイリングの話になるが、エスハチとビートを比べると、エスハチの方が実に表情豊かに仕上がっていることがわかる。人間は様々な物を擬人化してとらえてきた。車とて同じこと。ライトは目であるし、ラジエターグリルは口か鼻として例えられる。そう見ていくとエスハチは表情が豊かなのに対し、ビートのなんと無機的なことか。昔から名車と呼ばれる車の多くには人間に例えられる表情があった。昔はそれがトレンドだったのかもしれないが、今の車はあまりに無表情もしくはイメージの悪い顔をしている。先ほど「デザイナーには考え方を改めてほしい」と述べたが、個人的にはもう少し人間らしい顔つきをした車を作ってもらいたいと思う。