トヨタ2000GT

 何と美しい車だろう。長く伸びたフロントノーズが実にすばらしい。この手の車を見ていると、車の技術は昔と比べて大幅に進歩したが、スタイリングは退化したとしか思えない。「もっとがんばれデザイナー」と言いたいところだが、デザイナーが頑張れば頑張るほど、多くの人が求めている車のスタイリングとは程遠いものとなってしまう。前衛的なものは変なもの、変な物を買う気はしないからだ。その反動が現在のレトロカーの大量出現に結びついたともいえなくはないが、実際は日産のBe−1が発売された前後から、レトロ的なデザインの要求はあった。これが長期間続いているブームではなく着実な欲求であるならば、デザイナーには是非とも考え方を改めてもらいたいものだ。