突然死した燃料ポンプ
過去、動かなくなった燃料ポンプをいろいろと解析してきた。今回gineさんから頂戴したのは以下のような症状の出たものだった。
1.トラブルが起きる前は、普通に運転できていた。
2.駐車した後、エンジンを再びかけようとすると、エンジンが動かなかった。
ここでいう動かないとは、スターターは回るが火が入らない状況。
3.燃料ポンプを交換したらトラブルは解決した。
このパターンは、過去の事例でもみられた。が、ここからが違う。燃料ポンプを交換して正常になった車、並びにバッテリーを搭載したままファミリーデーに来てくれたことだ。過去の事例では、不具合のあった燃料ポンプだけ送ってもらって解析していた。燃料ポンプを私のところで試したら、何の問題も無く動き始めたことが多々あった。そのため、燃料ポンプ自体が悪いのか、バッテリーが悪いのか、はたまた車自体が別のトラブルを抱えていたのか明確な切り分けができていなかった。
燃料ポンプの突然死の原因を切り分ける千載一遇のチャンス。下記の条件で燃料ポンプを接続し、動くかどうかを確認した。
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gineさんの車に付いているバッテリー |
市川の車に付いているバッテリー |
13.8Vの定電圧電源 |
| 結果 |
動かない |
動かない |
動かない |
以上の結果、燃料ポンプに問題のあると結論づけることができた。次に、燃料ポンプの端子間抵抗値を測定した。モーターであるから、抵抗値は低いはずだ。が、結果は264Ωほどになった。これでは動かない訳である。
ところが燃料ポンプの底にあるインペラに細いマイナスドライバーを突っ込んで少し動かしてみると・・・
抵抗値が下がった。ほぼ正常な値である。
さらにインペラを動かしていくと、抵抗値が大きく変化した。
抵抗値が変化していく様子をムービーに撮った。抵抗値は右側のテスターを参照のこと。左側のテスターはこの実験には無関係で、電源電圧を表示している。値がフラフラしているのは、電源がOFFのため。
次に、燃料ポンプを床に打ち付けて、モーターが動き出すところを撮影した。動いているかどうかは音で判断する。ムービーの最初は、抵抗値の変化を撮影している。電源を入れてもモーターは動かず、床に打ち付けたら動き出した。
最後のムービー。電源をON、OFFしてモーターが動くかどうかを見ている。電源スイッチのON・OFF、そしてモーターが動いているかどうかは音で判断する。電源をOFFした後にONにしても動かなくなることがある。これが突然死だ。そして上のムービーで示すとおり、モーターを叩くと動きはじめる。
抵抗値が大きく上がる箇所がある。そもそもの原因は定かでないが、次のような状況で抵抗値が上がったと考えられる。
1.何らかの原因で、燃料ポンプが突然死する。
2.エンジンをかけようと(燃料ポンプを動かそうと)、何度もスターターを回す。
3.そうすると、燃料ポンプも通電する。
4.が、燃料ポンプのモーターのローターが止まっており、その状態で大電流が流れる。
5.コミュテーターとブラシが焼き付き、結果として抵抗値がどんどん上がる。
考えてみれば当たり前のことだった。エンジンがかからない(燃料ポンプが動かない)といって、何度もスターターを回すと、ますます焼き付いて、ますます燃料ポンプが動かない方向に行ってしまうのだ。
もし燃料ポンプが突然死したら、一度ポンプを外して道路に強く打ち付ければ一旦復活する可能性がある。ただこれは応急処置なので、燃料ポンプは必ず交換すること。そうこうするうちに、再び動かなくなる。
今回はこれでおしまい。次回は最終回。キーレックスの人による、トークショーの模様をお送りする。