実験条件、その2
実験に使用する温水(=冷却水)の水温は、75℃に設定した。これは給湯器の最高温度だ。
サーモスタットの作動温度を考えるとちょっと低い気もするが、実車の水温計測結果から妥当性をみていこう。
以下の実験は、AZ−1のサーモスタット直後・ラジエターのIN側ゴムホースの表面温度を放射温度計で計測した結果である。測定箇所は以下の2カ所。ラジエターのIN側ゴムホースの温度は、穴の中から見えるホースの表面を計測した。
水温計と表面温度の関係を見ていく。
水温 |
サーモスタット直後 |
ラジエターのIN側ゴムホース |
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最後はオーバーヒート寸前の水温となったが、ラジエターのIN側ゴムホースの水温は、約72℃となっている。ラジエターまでの距離が長いため、30℃程度冷やされるのだ。
以上の実体を踏まえると、実験での75℃設定は、オーバーヒート寸前の水温にほぼ相当する。また冷却水流量10L/minと併せて考えると、本実験での状況は、オーバーヒート寸前の車をアイドルで放置中を模擬しているといえる。
次頁では、純正ラジエターとコーヨ−ラド製アルミラジエターの質量差などを見ていく。