デポジットが多い、バカバカしい原因

 以前紹介した通り、このエンジンは異常なまでにデポジットが多かった。




 原因はバルブステムシール。ここが硬化して、シールとして機能を全く果たしていなかった。



 ここにバルブを差し込むと、あろうことかバルブが自重で下がっていく。



 はじめはこんなバルブが・・・



 オイルでベタベタになる。こうならないようにするために、バルブステムシールがあるのだが、全く効いていない。



 バルブステムシールはTHOという聞いたことのないメーカー製である。また本コンプリートエンジンメーカーのHPを見ると、「オイルシール純正品、新品 (社外品は品質が悪いため)」とある。これは現在販売されているエンジンでの話であり、今回分解検証している昔のエンジンの話ではない。昔のエンジンでは純正以外のものを使っていたわけだ。それにしても、「社外品は品質が悪いことを我が社は知っているので使いません」と鬼の首を取ったように読めるのだが、実体は「過去に社外品のオイルシールを使って品質問題を発生させたので、純正に切り替えました」ということであり、謳い文句ではなく反省の念を述べるべきだろう。

 なお、カムシャフトシールだが武蔵オイルシールのものを使用していた。バルブステムシールも武蔵のにしておけばこんな問題は発生していなかったのではないかと思う。



 今回はこれでおしまい。次回はピストンやメタルについて検証を進める。