フルードの漏れていないAZ−1のマスターバック

 前回までに、以下のことがわかった。

 1.AZ−1をはじめとするツインカムターボ用マスターシリンダーには、クラックが入る。
 2.AZ−1をはじめとするツインカムターボ用マスターバックはフルード漏れする。
 3.シングルカムターボ用マスターシリンダーには、クラックが入っていない。
 4.シングルカムターボ用マスターバックはフルード漏れしない場合が多い。

 となると、AZ−1をはじめとするツインカムターボ用マスターバックでフルード漏れしていなかったら、クラックは入っていないのだろうか? だとすれば、クラックとフルード漏れの関係が極めて高くなる。以上を表にまとめた。


   前回までの検証   マスターシリンダーのクラック   フルード漏れ 
ツインカムターボ用マスターバック あり あり
シングルカムターボ用マスターバック なし なし
AZ−1用マスターバック 今回検証 さて、どうなっている? なし


 これが、フルード漏れしていないAZ−1のマスターバック。



 拡大しても漏れてない。



 シリンダーを外してみる。よく見られる、腐ったような錆がほとんど付いていない。




 マスターバック側。同様にほとんど錆びていない。



 フルードが漏れた可能性が極めて少ないとなると、クラックらしきものの発生はないはずだ。確認してみた。



 あちゃ〜、クラックらしきものがあった。



 結局クラックらしきものは、本当にクラックなのか、鋳造中にできた何かの線なのか、そもそもここからフルードが漏れたのか、結局断定できるだけの証拠を得るに至らなかった。
  
   検証結果   マスターシリンダーのクラック   フルード漏れ   結論 
ツインカムターボ用マスターバック あり あり わからん 
シングルカムターボ用マスターバック なし なし
AZ−1用マスターバック あり なし


 本当のクラックかどうかを見極めるには、電子顕微鏡を使った解析が必要だろう。また間接的な証明となってしまうが、例の対策品を購入してフルードの漏れが無くなったら、やはりここから漏れてきたということなのだろう。