ミッションオイルの中に入っていた削りカス

 非常に時間のかかる実験を行った。遠心分離器があれば、さくっと終わる話なのだが・・・回収したミッションオイルをペットボトルに小分けし、1ヶ月かけて削りカスを自然に沈殿させ、沈殿物が溜まっている部分(削りカスを濃縮した部分)を白い紙コップの中に入れた。少量しか入れていないのだが、再度撹拌してしまっため濁っていて底が見えない。



 少し傾けてみたが、底には何も溜まっていない。



 この状態でさらに1週間かけて沈殿させたのが下の写真。底に何か溜まっている。



 「傾斜法」にて上澄みのオイル部分を捨てた。



 底の沈殿物を指で触った。写真では全くわからないが、非常に細かい粒子で、一度付着すると全然取れない。



 指で触って2週間経過した時の私の指。爪の間にまだ細かい粒子が付着しており、黒ずんだままだ。もしこれが汚いオイルの汚れだったら3日もすれば自然に取れていくのだが、そうならない。ギヤやベアリングですりつぶされた結果、非常に細かい粒子へと変化したのだろう。



 底に溜まった沈殿物にブレーキクリーナーをかけ、ブレーキクリーナーに混じったミッションオイルを「傾斜法」にて除去して乾燥させ、最終的に残った削りカスがこれ。オイルと混ざっている際はそれなりに量があるように見えたが、実は非常に少なかった。





 皿ネジが削れたことが異音の主原因であることが明らかになった。また5速ギアを見る限りではギヤ本体に異常はなかった。が、今回開けたのは5速ギヤの入っている言わば蓋の部分のみ。ミッションケース本体に入っている1〜4速のギヤに異常がないとは言えない。
 次回は、ミッションケース本体をあけ、ギヤの異常の有無を確認していく。