WiLL Vi

 最後は実際に市販されている車を紹介しよう。それがWill Vi。日産のパオとクリフカットのキャロル、VWのニュービートルをあわせたようなデザインとなっている。ベース車両はヴィッツなので、性能は押してしるべし。




 ところでこの「WiLL」というブランド、聞き慣れない方も多いのではないか。これは、トヨタ、アサヒビール、松下電器産業(NationalとPanasonicのブランドの2つが参加)、花王、近畿日本ツーリストの5社が参加して作られている業種を横断した新ブランドなのだ。また各社は「WiLL」ブランドによる新製品を順次発売することになっている。
 新ブランド設立の目的だが、商品のイメージを統一し業種の垣根を超えたマーケティングを展開することらしい。ちなみに今まで発売されているものは、

トヨタ・・・・・・・WiLL Vi
アサヒビール・・・・WiLL スムース ビア(ビール)
松下電器・・・・・・WiLL PC(液晶モニターのデスクトップパソコン)
花王・・・・・・・・WiLL クリアミスト(衣料の消臭スプレー)
近畿日本ツーリスト・WiLL TOUR(ツアー)

 これだけ性格の違う商品が発売されているのに、「商品のイメージを統一し業種の垣根を超えたマーケティングを展開する」ということが本当に可能なのか、今から疑問視せざるを得ない。というのが、この手の試みは過去何度も試されており、ことごとくコケているからだ。何かよくわからんです。
 あと「業種の垣根を超えたマーケティング」というのがあるが、このWiLLには「系列を越えたマーケティング」も含まれている。それがトヨタとアサヒビールだ。実はアサヒビールの系列会社にはマツダがある。にもかかわらずトヨタと組んだ・・・このあたりの対応もおもしろい。

 さてこの「WiLL」ブランド、顧客に全くといっていいほど浸透していないので、この先どうしていくのか(というより、「どう後始末をつけるのか」と言わざるを得ないのが悲しい)興味が持たれる。