「意識高い系」という病にかかっている連中を広島でも見たい

 「意識高い系」の定義には諸説あるが、個人的に一番しっくりくるのが、以下の説明である。

本当に「意識の高い人」は、目標達成のために地をはうような努力をいとわないが、「意識高い系の人」は泥くさい努力をしない。確たる経験や実績もないのに、自己評価があまりにも高く、根拠なき自信に満ちあふれており他者を見下す。
   以上、「意識高い系」社員につけるクスリはないより抜粋。


 車で例えて言うならば、
・車の整備は人任せで、汚れ仕事に手を付けない
・技術や知識、適切にアシストしてくれる伝手がないのに旧車・希少車・趣味の車を有し、高額な車が故に他人よりエライと思っている
・車そのもの、及び車とはあまり関係無いもの(服とか時計とか)に、何の信念や自分なりの基準が確立できていないのに、野放図にカネをかける
・根拠もなく自分は速いと思っている
 というところだろうか。



 モーニングクルーズが行われたT-SITEと「意識高い系の人」との関係性だが、結果的に意識高い系がT-SITEに集まる可能性が高い点にある。その理由は、T-SITEの選書の良さが効いていると考えられる。「こんなの読んでわかるのか」という本が多いのだそうだ。
 図書館の司書をやっていたうちの嫁に言わせると、岩波文庫「信仰の遺産」という戦前のカトリック神学の本が平積みされていて非常に驚いたそうだ。「お勧め」ということで平積みしているということは、これを読んで理解できる人がいることがまず凄く、しかも多くの人が買っていく(だから平積みになっている)のだからますます凄いのだそうだ。

 こんな難しい本に囲まれていたらいつの間にやら自分が賢くなったと思わせる魔力がT-SITEにあり、それに引きつけられるように「意識高い系」が集まってくる。加えてスタバなんかがあったりするもんだから、コーヒーをすすりながらPCで作業しているとまさに気分は最高潮! 不要不急のPC作業がはかどる気分になれる。これがT-SITEと「意識高い系の人」との関係である。




 広島T-SITEは、1F・2Fぶち抜きの天井にかけて壁一面に本が展示してあったりするから、さらに気分をそそる仕掛けがある。



 蔦屋書店はさぞかし迷惑なことだろう。



 ついでにもう1つ、意識高い系の人がよく使うという言葉もネットにあった。そこで、この1週間に会社の中で私が使用した可能性の高い言葉を赤字で示してみた。

ASAP、BYOB、FYI、NR、RSVP、アウトソーシング / out sourcing、アグリー / agree、アサイン / assign、アジェンダ / agenda、アドバンテージ / advantage、アポイントメント / appointment 、アライアンス / alliance、イシュー / issue、イノベーション / innovation、ウィンウィン / win-win、エビデンス / evidence、カウンター / counter、カスタマー / customer、クールダウン / cool down、グランドデザイン / grand design、クリエイティビティ / creativity、グロス / gross、ゲーミフィケーション / gamification、コストパフォーマンス / cost performance、コミット(コミットメント) / commitment、コンセンサス / consensus、サジェスチョン / suggestion、シェア / share、シナジー / synergy、ジャストアイディア / just (an) idea、スキーム / scheme、ステークホルダー / stakeholder、スペック / spec、セパレート / separate、ソリューション / solution、タイト / tight、タスク / task、デフォルト / default、ネゴシエーション / negotiation、パートナーシップ / partnership、バジェット / budget、バッファ / buffer、 ビジネス / business、ビジョン / vision、フィックス / fix、プライオリティ / priority、フラッシュアイディア / flash idea、ブラッシュアップ / brush up、ブレインストーミング / brainstorming 、フレッシュ / fresh、ベネフィット/プロフィット、ペンディング / pending、マインド / mind、マジョリティ / Majority、マスト / must 下にある「want、need」とともに要求度合いを聞くのに使う、マター / matter、マニフェスト / manifesto、マンパワー / manpower、メソッド / method、ユーザー / user、リスケジュール / reschedule、リスペクト / respect、リソース / resource、リテラシー / literacy

 以上、ロリポップキャンディシンドロームより抜粋。


 他にも・・・
リマインド、エンゲージメント、バイアス、エンハンス、ロードマップ、PDCA、ベンチマーク、ドラスティック、サマリー、アウトプット、FTF、want、need、カスケード、ソース、シーズ、クライテリア・・・そしてコンビニ

   俺が意識高い系じゃないか!! (核爆)




 そんなわけないので次。

 どうもこの「モーニングクルーズ」の「クルーズ」という言葉に引っかかってしまう。クルーズとは、普通こんな感じである。どうもタイトルに違和感がある。タイトルを考えた人は、クルージングをやったことがないのではないか??





夕焼けに映える富士山とベイブリッジ。飛鳥2より撮影。



 これ、飛鳥のリピーター会員しか乗れない、一般には予定が告知されない(パンフレット未掲載)シークレットなクルーズだったりする。「せめてこれぐらいやってから語れや」と言いたくなるのだが、諸先輩方からは「世界1周を3回ぐらいやってから語れ」と説教されるのでした。
 そういえば、昭和どころか大正の香りすら漂う飛鳥特有の前近代的避難訓練(形はどうであれ国際法で実施が義務づけられている)のとき、「こむろ てつや」という名前の人が呼び出され、場がざわついた。このクルーズの直前にスキャンダルがらみで引退したので、やけくそになって飛鳥に乗りに来たのかと思ってしまった。



 下船後、本物の意識高い系を見物に行こうということで、代官山蔦屋に行ったのでした。



   意識高い系より悪趣味である


 うちの嫁に言わせると、「なんで本屋の駐車場に外車が多いの?」とのことだった。





「クルマ好きがコーヒーを片手に休日早朝のひとときを豊かに過ごせる場所を提供したい」とのことだが、提供した結果何が生まれるのだろうか? 何かを生むために・何かをするために提供しないと意味がないのではないか。その何かとは、自動車に関して自分自身が進歩するためのものではないのか?


 次頁では、会場の概要をみていく。