30度バンクを走る!



 30度バンク。それは数々の死傷者を生み出したため閉鎖されたコースの一部のことだ。写真に示すとおり、バンクになっているところはほとんど壁のように見える。この写真の左側はかつてメインスタンド前のストレートにつながっていた。左から右にかけて斜めになっていることから、下り坂であることが分かる。目視で判断すると勾配は約5°。ストレートでスピードの乗った車がこの坂に突入したのである。閉鎖される前はいったいどのような光景を見ることが出来たのだろうか。
 というわけで、26年間閉鎖され荒れ放題になったこの30度バンクを、佃煮実行委員会の方々の献身的な努力によって「開墾」し、今回の走行にこぎ着けた。自動車関連イベントで、近年これだけの歴史的偉業がなされたことがあったであろうか。寒い寒い12月、コース上に生えた木や雑草の除去作業、ライン引きを夜中まで行い12/5の当日を迎えた。開墾作業中は、誰もいるはずのないコースで話し声が聞こえた等、死者の霊におびえながらの作業だったという。

 走ったコースは図の通り。レースで使われていたときとは逆の方向に走ったのだ。1台づつのスタートである。



30度バンクを疾走するAZ−1



 佃煮前は、30度バンクの話が掲示板で盛り上がっていた。その話しから私が抱いたのは「かなりきついバンクのため、伝説になるほど上に登るのが難しい」というイメージ。が、写真をご覧の通り、みんな楽々と上に登ることが出来た。これにはちょっと拍子抜け。ロードスター10周年ミーティングでは、三次のテストコースのバンクを駆け上がろうとしたところ、せいぜい2/3位のところまでしか上がることが出来なかったので、それを超える過激なバンクを期待していたのだが・・・


 最後に30度バンクの閉鎖地点の光景である。コンクリートの壁の向こうに第一コーナーがある。