'97広島輸入自動車ショウ

 今回は’97年2月1日、2日に、広島グリーンアリーナで行われた「'97広島輸入自動車ショウ」についてレポートしよう。これはジェトロ等が主催したもので、総勢120台の輸入車を展示会である。この時期になると各地で輸入自動車ショウが行われる。先日も東京で行われたが、広島の規模は展示台数で約半分だ。これはまあ、致し方ないところ。その120台のうち、詳細に関してはスポーツカーを中心に紹介したい。


自動車ショウ概要
 2ドア、4ドア、RV・高級車から大衆車まで6カ国・26メーカーの車が集合した。人気は今はやりのRVと、たぶん一生乗れないであろうスポーツカーに集中していたようだ。円高を背景にして国内シェアが10%に達し身近になった輸入車ではあるが、会場に来た人は買う目的でなく、私のように見る目的の人が圧倒的に多かったように思う。ここ最近の輸入車は右ハンドルが主流となってきたが、展示車両の多くは左ハンドルであった。「輸入車は左ハンドル」という意識に訴える演出だろうか。各展示車両については、後の項を参照されたい。また、同時開催として、ビンテージバイク16台の展示もあった。

展示車両の傾向
 展示車両で特に目立ったのは、オープンカーの多さであった。これは数年前のユーノス・ロードスターの成功を機に、海外メーカーが一斉にオープンカーを開発し始め、その結果が現在になって現れたためである。オープンカーはほとんどのものが、ロードスターとほぼ同じ排気量である2000cc以下の車であった。従って排気量的にはライトウエイトスポーツと言ってもよいだろうがが、室内(助手席との間隔)が広く、さらに高級な内装材を使用しており、若者向けというよりは有閑中年向けという趣が強いものが多かった。一見ロードスターの後追いのようにも見えたが、顧客ターゲットは確実に違うようだ。

ギャラリーの傾向
 会場に足を運んで初めて気がついたが、面白かったのは車ごとに異なるギャラリーの種類である。もっとも、車やメーカーによって顧客ターゲットが異なるので当然と言えば当然であるが・・・まずフェラーリやアルファロメオなどイタ車。これには年齢層が20代から30代前半の男性が多く、どう考えても買えるわけはないのだが、とりあえず乗って格好をつけてみたいんじゃないかな、と思われる者が大半を占めていた。一方ジャガー等になると、年齢層は一気に上昇。50代から60代のひたすら高級感追求指向オヤジ族が、まるでこの車は自分のものと言わんばかりに感触を確かめていた。それらに対しRV等キャンピングカーをとりまくのは、圧倒的に家族連れ(子供あり)。もはや彼らの関心は車そのものよりも、内装(キッチンやバスルーム)に移っていた。生活臭が漂ってくる行動だ。

注目車両
 ここからは各車両の写真を交えて紹介するが、車と人でびっしり埋まっており写真を撮るのに苦労させられた。さらに車自体も試乗を目的として展示されていたため「お立ち台」の上になかったので上から写したものが多く、いい写真が撮れなかったことをお許し願いたい。
 手の出せる価格・そしてその車の存在感だけで判断すると、「BMW Z3 ロードスター」が一押しか。

フェラーリ 550 マラネロ
ポルシェ ボクスター
BMW Z3 ロードスター
ジャガー KX8
メルセデスベンツ SLK230 コンプレッサー