表示には以下の2つの方法を検討しました。
・ドットマトリックスと呼ばれるLEDを使用する場合。
利点:[1][2][3][4][5][N][R]とその他の文字を好きな書体で表示できる。
表示用制御ユニットをコンパクトにできる(と思われる)。
欠点:PICが必要(私の構想では)で、PICライターなどの道具と知識がありません。
ドットマトリックスLEDはある程度大きさより小さい物がない。
・7セグメントLEDを使用する場合。
利点:7セグメントLEDは種類が豊富。
表示用制御の検討自体は簡単。
欠点:[N][R]の表示ができない。書体が決まってしまっている。
表示用制御ユニットが大きくなる。
※PIC(マイコンチップ。プログラムを書き込んでいろいろ制御できます)
今回は7セグメントを使用することとしました。
[インジケーター表示の流れついて]
7セグメントLEDを表示する流れとして以下のようになります。
(a)[シフトレバーの位置検出]
   ↓
(b)[信号を論理回路でBCDデータに変換]
   ↓
(c)[BCDデータを7セグメント用ドライバにて処理]
   ↓
(d)[7セグメントLED点灯]
※ここからは(a)〜(d)の各項目について必要な順に表示していきます。
(d)[7セグメントLED点灯]
7セグメントLEDには[アノードコモンと]と[カソードコモン]があります。
それぞれプラスを共通とするかGNDを共通とするかです。
今回使用する[カソードコモン]ではGNDを共通とし、
[0]〜[9]の数字を表示するのにプラスの信号を使用します。
乱暴に言えば、車のアース(GND)が共通でライトなどの点灯の際に
プラス側を制御するのとよく似ています。
(c)[BCDデータを7セグメント用ドライバにて処理]
7セグメントLEDは7つのLEDで構成され、全部点灯の際には[8]が表示されます。
表示される数字
|
(2進数入力) |
|||
D | C | B | A | |
1
|
0
|
0
|
0
|
1
|
2
|
0
|
0
|
1
|
0
|
3
|
0
|
0
|
1
|
1
|
4
|
0
|
1
|
0
|
0
|
5
|
0
|
1
|
0
|
1
|
(a)[シフトレバーの位置検出]
シフトレバーの位置確認には
2本のリンクの[上][下][右][中央][左]の位置を、
それぞれ近接センサ@ABCDにて検出します。
シフトレバーの位置
|
|||||
@ | A | B | C | D | |
1速
|
−
|
○
|
○
|
−
|
−
|
2速
|
○
|
−
|
○
|
−
|
−
|
3速
|
−
|
○
|
−
|
○
|
−
|
4速
|
○
|
−
|
−
|
○
|
−
|
5速
|
−
|
○
|
−
|
−
|
○
|
これ以外の状態では、ニュートラルでもシフトレバーが[左][中央][右]の位置を検出します。
(b)[信号を論理回路でBCDデータに変換]
センサからの出力信号をTTLによる論理回路にて処理し、
BCDデータに変換して[4511]に入力します。
使用TTL:[7408]2個、[7404]1個、[7432]2個
[制御回路の製作]
左図は使用する部品類です。
この他に、ケーブルなどが必要です。
作業的にはハンダ付けをひたすら根気良く行う・・・のみです。
回路図を元に基盤レイアウトを考えて部品を実装しましたが、
結構大きくなってしまいました。
基盤面積を小さくするためには、基盤を重ねてみるのもいいと思います。
7セグメントLEDへの配線はコネクタ接続としました。
電源用配線も同様です。
[表示器の製作]
今回はたまたま手に入れることができた部品を使用して作りました。
スピードメータ内に内蔵する場合や、
ハンドルコラム部の上に設置する場合など、
用途と好みに合わせて作ると良いと思います。
[完成後のまとめ]
今回はマニュアル車用のシフトインジケーターの製作でしたが、
AT車の変速用ソレノイドへの信号を近接センサからの信号と置き換えれば
AT車にも使用できます。
(論理回路は対象AT車の信号に合わせて組み替えが必要になります。)
反省としては、TTLを5個も使用するなど基盤面積が大きくなってしまい、
制御ユニット部が大きくなってしまいました。
制御ユニットを収納する場所が無く、無理やりエアコンパネルの裏側に収納していますが、
この点は今後解消したいと思います。