ポルコ式除湿性能の改善 〜拡張版〜


ポルコ氏のエアコン制御方法を応用して、AZ−1のエアコンを手動制御にしてみよう。


 車両の分解はポルコ氏の項目 http://az-1.loops.jp/mod/mod_heater.html が詳しいので参照して欲しい。 温度設定レバーに連動するミックスポテンションメータは、0〜3kΩのスライダック形の可変抵抗だ。 これを回転式のボリュームに変更し、手動で操作できるようにする。




 ポテンションメータは汎用3Pコネクタを1極不使用で使われているので、量販店などで同じコネクタを買ってこよう。このスライダック抵抗はマツダの専用部品だと思われ、汎用部品では似たような物が見当たらない。 将来入手が難しくなることが考えられるので壊さずに保管しておこう(本改造では車体に付けっ放しでも構わない)。



 部品を準備しよう。0〜3kΩの可変抵抗というのは規格上存在しないようで、0〜5kΩの可変抵抗に8.2kΩの固定抵抗を並列に繋いで使用する。単なるセンサなので容量は小さくて構わないが、車載の環境を考えると密閉型を選ぶのがベターかもしれない。



 部品を結線し、可変抵抗式コントローラを作ろう。併せてコンソールにも穴明け加工を実施する。



 パネルは、市販のステッカー用紙に顔料系プリンタで印刷してみた。 版下もアップしておく(約70kB)ので同様の加工をする方は使ってみて欲しい。ボリュームつまみにオレンジ色の挿し色をすると、車体側との統一感が出てよいだろう。








 車体側コネクタにハーネスを結線して、分解と逆の手順でコンソールを組み付けよう。 エンジンを掛け、エアコンスイッチをONにしてファンスイッチを「2」にし、可変抵抗式コントローラを最強/最弱に振ってみて、エアコンがON/OFFすれば作業は完了だ(エアコンON/OFFには、若干のタイムラグがある)。




 可変抵抗式コントローラが最強(=0Ω)になっていても、車体側で元々直列に繋がれているエバセンサは生きているので、エバポレータが低温になるとコンプレッサーは一時的に停止する。 このため、昔の後付けエアコンのようなエバポレータが凍ってしまうといった事態は起きにくい。
 ただし別頁でポルコ氏が述べているようなリスクは残るので、この点には留意しよう。

1. 除湿暖房時に燃費が悪化する
2. 除湿暖房時の電力負荷が増大しバッテリーに負担が掛かる
3. A/Cコンプレッサーの稼動時間が長くなり寿命が短くなる可能性がある

 これに加え、可変抵抗式コントローラを中途半端な位置にして走ると、エンジン高負荷時にも構わずコンプレッサーが頻繁にON/OFFするため、メカに負担がかかる。 これはノーマル状態で温度設定を中途半端な位置にした時も同様に起きる。 負担を抑えるためには、可変抵抗式コントローラを最強(=0Ω)にしてエアコンスイッチを手動でON/OFFし、温度設定レバーで温調して運用するのがよいだろう(ノーマルでは残念ながら温度コントロールと湿度コントロールを独立させた運用ができないのだ)。
 また、除湿された空気が更に加温されることは、飽和水蒸気量の関係で極端な乾燥状態となる。僕は試運転で手指などがカサカサに荒れてしまった・・。肌や喉が弱い方は注意したほうがよさそうだ。